今日は圭吾君が休みを取って、真弥さんとデート。



二人が別れなくて本当に良かったと思う。



外のごみ箱を片付けていると、高校生が制服のまま地面に座っていた。


地面にそのままに座るだなんて、時代も変わったなと思ってると。



一人の男子高校生に声をかけられた。



「コンビニのおねえちゃん。一緒にあそばない。」



おい、おい、学校はどうした。



今日は平日だから、高校生へは行かないのつもりなのか。


下手に刺激したくないし。



「無視しないでよ。遊ぼ。」



高校生の子供と遊んで暇なんかありません。


こんなにゴミを散らかして、小学生でも片付けるわ。


無視して片付けてると、一人の男子高校生に腕を捕まれた。



ちょっと、やだ、離しなさい。



聖夜、助けて。



「その手、離してくれない。」



聖夜、遅いよ。



「あ、聖夜さん。この店で働てるんですか。」



「そうだよ。その人はこの店の店長だし、そんなことしたら、不味いと思うけど。」



男子高校生は聖夜を知ってるのか。



まぁ、聖夜は昨年まで高校生だった訳で。



そう、高校生でした。



「聖夜さんの働いてる店の店長でしたか、それはすみませんでした。」



聖夜の言う事は直ぐに聞くわけだ。



男子高校生はゴミを片付けて、慌てて帰って行った。



聖夜の事はまだまだ分からない事だらけ。



どう見ても不良にしか見えない高校生を、簡単に追い払うだなんて。



聖夜は何者ですか。



「美莉、顔にシワよってるけど、大丈夫。」



シワ、それは不味い。



シワに敏感な私は店の中に戻り、鏡とにらめっこしてると、聖夜に笑われた。



「美莉大丈夫だった。あいつら悪い奴らじゃないから、安心して。勉強についていけなくて、ああやってつるんで、憂さ晴らしてるだけだからさ。」



「シワは大丈夫かな?」



聖夜が思い切り、吹き出した。



何で笑うかな。


シワには敏感なんだよね。


30にもなると、お肌の状態は下がる一方。


それにしても、聖夜笑い過ぎですから。


30女の悩みをバカにするな。