羽村が帰ったあと、真湖は雅喜が片付けるのを手伝おうとしたのだが、止められ、仕方なく、赤ん坊を抱いて、ソファに腰掛けていた。

 騒がしいのが好きなのか。

 羽村たちが来ていた間は良く寝ていたのだが。

 静かになったし、そろそろ起きてきそうだなーと思いながら、その小さな顔を眺める。

 寝っぱなしだと不安になるが、ずっと起きてられると、

 そ……そろそろ寝て、と思ってしまう。

 難しいところだ。

「良さそうな人でしたね」
と雪乃を評して言うと、キッチンから雅喜がこちらを見て、沈黙をする。

「……まあ、悪そうではなかったな」

 なんですか。
 その奥歯に物の挟まったような物言いは、と思っていると、雅喜は食器を軽く流しながら言ってきた。

「たまに言ってることがおかしかったが、お前は気にならないんだろうな」

 そのあとの言葉を雅喜は呑み込んだ気がした。

 同類だから――。