そして改めて陛下を捜しているとすぐに見つかった。
だが陛下の隣には、リュウ様が居た。
えっ?何で!?
さっきまで私と一緒に居たはずなのに。

「ルチア様!!」

「何だ……アイリス。そこに居たのか?」

「ルチア様。あの……」

私は、陛下の名を呼びそばまで行くとチラッと
リュウ様を見た。
おかしい……そんなはずは。
別れてすぐに陛下と一緒になったのか?

「うん?どうしたんだい。
俺の顔に何か付いているかい?」

するとリュウ様は、ニコッと微笑んできた。
あれ……?
何だかちょっと雰囲気が違うような?

「リュウ様。先ほどまで
私と一緒にいらっしゃいましたよね?」

「うん?いや……ずっとルチアと
部屋でお茶をして話し込んでいたけど」

えっ……!?

「そんなはずは……だって
さっきまで私と一緒だったんですよ!?
間違いなくリュウ様…」

私は、その時ハッとした。
目の前に居るのがリュウ様なのに
さっきまで会っていた事を否定してきた。
なら、あれは……別人!?

東洋の忍者は、変装も得意と
あの本に書いてあった。だとすると
あのリュウ様は、忍者の可能性だと言うことに。
えぇっ?じゃあ、私は……忍びの男に
キスをされそうになったってこと!?

気づかなかった自分にも驚きだが
キスをされそうになった自分にもショックだった。
そんな……騎士として失格じゃないのよ!?

「おい、アイリス。心の声が駄々漏れだぞ?
どういう事だ…それは?」