「桃、
時間ギリギリなんて珍しいね」




間一髪、チャイムが鳴る直前に教室に入ってきた私に、友達の(みなみ)秋穂(あきほ)が声をかけてきた。



秋穂は私の隣の席で、私が地味でも関係なく声をかけてくれた女の子。



今では一番の友達。




「うん…なんか変なのに捕まりまして」



「やだ、何したの?」



「何もしてないよ…。
蜂谷くんと、立花先輩って人に絡まれて…」



「えっ!!立花先輩!?」




秋穂が立花先輩ってとこに食いついてきたところで、先生が教室に入ってきた。




「ちょっと、後で詳しく教えてよね!」




小声でそう言われたけど、秋穂の目がギラギラしていた。



こ、怖いよ秋穂…。



それに、秋穂にそんな興味持たれてる立花先輩も怖いよ…。