「勇樹。そろそろお薬の時間でしょ?」

「はーい」



お母さんに促され、僕は食器を片付けて薬を飲んだ。

この習慣はもう七年くらい続いている。

きっかり二十四時間に一錠飲む必要があって、リミットを超えるとある病気が発症してしま
う。

だけどこの五年間は両親にしっかり管理してもらっているので、一度も飲み忘れたことはない。

学校にもちゃんと事情は説明してあるので安心だ。

飲み終えると、僕はいつも通り『行ってきます』と言って家を出て学校へ向かう。
それがずっと続く僕の日常。



そのはずだった。