高校三年生。それは、自分の未来をしっかりと考えていかなければならない時です。

私は、病院に看護補助員として就職したいと思っていました。看護補助員とは、看護師の補助をする仕事です。もっと簡単に言うと病院の介護職員でしょうか。

私は学校で福祉を学んでいます。十日間の施設実習や、テストなどを今まで以上に頑張っていました。

六月、中間テストが終わった後、就職希望の人は集まるように先生から言われました。私の学校では進学よりも就職の人の方が多いので、講演会を行う部屋には何十人もの人が私を含め集まっていました。

色々な場所で一年のほとんどを講演会で忙しくしている方がいらっしゃると聞き、私はどんな話をしてもらえるのだろうとドキドキしていました。就職試験に対して不安はあったので、いいアドバイスがほしいと思っていました。

部屋に入って来たのは、少し怖そうな雰囲気の男性でした。ヤクザ映画の下っ端のような顔で、私は「怖そうだな……」と思いました。