あの衝撃的な告白から2週間が経った今でも、変わらぬ日常が続いていた。


...というのは嘘で、明らかに変わったことが1つある。


星名湖杜に会わなくなったことだ。


念じなくても、まるで必然のように何かアクションが起きる時は必ずオレの近くにいたやつが、最近全く姿を見せない。


学校に来なくなったというわけでは無いことは知っていた。


ごみ拾い運動をしているところをちらっと見かけたからだ。


しかし、鉢合わせすることはない。


一方的に見ているだけだ。


それを寂しいなんて思ってしまうオレはどうかしている。


戻っただけだ。


あいつに出会う前のオレに。


それなのに、


こんなにつまんなかったっけ、とか、


オレってこんなヤツだっけ、とか、


違和感を感じながら生きているのは、元に戻ることが出来ないことを意味する。


あいつに変えられたのだと再自覚した。


そして、変えられたから元には戻れないんだ。


粘土のように、自由自在に形を変えられても、2度と同じ形が出来ないように、人の心もまたそうなのかもしれない。


オレは今悶々とした時を生きている。