第4章






警視庁刑事部 捜査1課  椎名シンジ
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「椎名班長!おはようございます。」


「おぉおはよう。」


登庁前、視界に1日ぶりの警視庁が入った所で、うちの班の高山と一緒になった。


「昨日は大丈夫だったか?」


「はい、特にこれといった問題も無かったです。」


「悪かったなぁ取り調べも全部お前達に任せちゃって。」


「“鬼の椎名がいない”からって、被疑者はちょっとホッとしてましたけどね。」


「もういい歳なんだからいい加減、鬼呼ばわりされるのは嫌なんだけどなぁ・・。」


「どうでした、昨日の“両家 顔合わせ食事会”は?」


「ん~?家出る前に両足の小指、突き指したよ。」


「・・はい?」


「いやぁ何でもない。向こうのご両親もとても礼儀正しくていい方達だったよ。

ルミもあの物腰柔らかいお母さんなら“嫁姑問題”に悩む事はないだろうなぁ。」