寂しい夜は過ぎ、次の日の朝。


「あれ、お母さん今日は休み?」

「今日は特別研修があるから、会社より近い場所に行くの。ゆっくりでいいから、久しぶりに一緒にご飯食べよっか」


いつもは朝起きるともうほとんど行く準備を済ませているお母さんが、まだ寝巻き姿のため聞いてみれば嬉しい言葉が返ってきた。

久しぶりのひとりじゃない食事。



嬉しくて頬が緩む中、テーブルへと向かう。

そこにはトーストにスクランブルエッグ、ベーコンにレタスといった朝食にぴったりのご飯が用意されていた。


「あとこれ、華蓮の好きなアロエヨーグルト。今日は大きいとりわけタイプ、ふたりで食べちゃおっか!」

「食べたい…!」


なるべく子供っぽい反応にならないよう努力する。