(わっ!)



夕食の席には、あの女がいた。
元々綺麗な女ではあったが、あの時とは違い、髪を結い上げ、煌びやかなドレスを纏い、豪華な宝石まで身に着けていて、どこからどう見ても上流貴族のようだった。



「ジョシュア…紹介しよう。
アンジェラだ。」

「あ…は、初めまして…あ、初めてじゃなかった。」

アンジェラはくすりと笑う。



そう、彼女とは初対面じゃない。
とはいえ、あの時は挨拶さえ交わしてはいない。



そういえば、あの時、エドワード王はおかしなことを口にした。



『そなた!異界から参ったのだな?』



それがどういう意味だったのかは、今もわからない。
だが、最初、あの部屋に彼女がいなかったのは確かだ。
彼女は一体どこから来た何者なのか?
俺には関係のないことかもしれないが、さすがに気にはなる。



「ジョシュア…アンジェラはとても美しいと思わないか?」

「え?はい、そうですね。」

「きっと、良い夫婦になれるぞ。」

「……え?」

「そなたには爵位を授ける。
それと、屋敷と使用人もな。
アンジェラと仲良く暮らすが良い。」

「え?」

夫婦?俺と彼女が?
爵位…?
エドワード王は一体、何を言ってるんだ?
俺は、混乱し過ぎて何も言うことが出来なかった。