ケータイ小説 野いちご

偽恋人からはじまる本気恋愛!~甘美な罠に溺れて~

終章 甘い罠

「どうした? ぼーっとして、疲れたか?」

「えっ、すみません。ちょっと最近暑さにバテちゃって……」

時刻は二十二時。

今日は珍しく丸一日休みが取れた水城さんと映画デートだった。映画を観た後、車で海辺を走って彼のお勧めのレストランで食事をして、今しがた水城さんのマンションへ一緒に帰ってきたところだった。

イルブールで父と会ってから一週間。

ここのところずっと父に言われたことが胸に引っかかって、楽しいデート中も仕事中も家にいても、なんだか心がモヤモヤして晴れなかった。そんな私を心配するようにシオンがソファに座る私の膝の上に飛び乗ってニャーンと鳴いた。

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