ケータイ小説 野いちご

偽恋人からはじまる本気恋愛!~甘美な罠に溺れて~

第九章 父、現る

「ただいま」

そう言って、水城さんがマンションに帰宅したのは深夜三時頃だった。

「おかえりなさい」

今度は寝落ちしないようにして、ちゃんと水城さんの帰りを待とうと思っていた。

「起きてたのか? 先に寝ていてもよかったのに」

ふわりと抱きしめられると、異国の香りが微かに鼻を掠めた。何度もキスをされて、抱きしめ返すと無事に私の元へ帰ってきてくれたのだと実感する。

「シオンは?」

心配そうな水城さんを安心させるため、私は笑顔で「大丈夫ですよ」と答えると、彼もホッとひと安心してソファに身体を預けた。

病院から帰ってきたシオンはずっと昼間寝ていたけれど、夕方くらいから起きだしていつものようにおもちゃで遊んで、夕食もしっかり食べた。

ニャーン!

今まで本棚の上で寝ていたシオンだったけれど、水城さんの帰宅に気づくと一目散に駆け寄って彼の足元でスリスリしだした。

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