朝に御坂くんと会うまでは琴葉がいなくて恨み、お菓子を渡すことを諦めていたけれど御坂くんは嬉しそうに受け取ってくれた。


さらにここ数日で一番会話ができ、御坂くんの知らない一面も見えた気がして午前の授業は気分良く受けることができた。



「なんか咲、いつもより楽しそうな顔してる」
「え?本当?」

「いつにも増してにこやかだよあんた」


昼休み。
いつも通り琴葉と食べるため、彼女の席に行った私。


すると琴葉にそう言われ、右頬を軽くつねられてしまう。

まったく痛くなかったけれど、わざと痛いふりをしてみせた。


「痛いよ琴葉……へへ」

けれど自然と溢れる笑み。
ダメだ、にやけてしまう。


「ほら嬉しそう。
何よ、理玖効果?」

「その言い方はひどいかと…」

御坂くん効果だなんて。
確かにそうかもしれないけれども。