第6章  2019年


ジャニーズ事務所社長
ジャニー喜多川氏 逝去




警視庁刑事部 捜査6課 神野シン
********************************************


『お待たせしました。』


ようやくご登場なさったか・・。


“明日、朝一で豊洲市場に行って買ってきます”

と俺に告げていたヒデさんが、発泡スチロールの箱を抱えて帰ってきた。


「よくあんな人混みだらけの場所に行ってこれましたね。」


『いえ、私の病を知っているご主人とは築地時代から懇意にして頂いてますので。

お店の裏口からこっそりと。』


「なるほど・・。」


『脂が乗った素晴らしい2匹を譲って頂けました。』


発泡スチロールの蓋を取ったヒデさんが嬉しそうに俺に見せてきた。


正直俺は料理をほとんどしないので、
良い悪いの見分けは出来ないが、

確かに身がキラリと輝いている気がするサンマが2匹入っていた。



『構想は綾瀬さんがいた頃からあったのですが、

どうしてもこの照明をつけるには男手が2人必要でしたのでお預けでした。』


「じゃあ綾瀬さんが復帰した後もぜひ食べさせてやらないと。」