座り心地の悪い
ソファに座らされた二人の前に

合格通知書が二枚並べられた


「「嘘っ」」


優羽と顔を見合わせて
手を握った

“熊に電話して”と母にお願いしたのは
ほんの二時間前

それなのにもう届いている合格通知書

こんなことってある??

見えない力に感心していると

行くはずだった女子校の
辞退届も渡された


「なぁ、お前ら本当に正気か?」


担任と学年主任に進路指導の先生までもが
眉毛を八の字にしている


先生達が眉毛を下げる程
【東白学園】は有名な不良校なのだ


「それに・・・」


そう言って顎に手を当てた進路指導の先生は


「願書も提出してないのに合格通知って、なぁ」


先生が不思議がるのも仕方ない


でも・・・


着実にことは進んでいて

不安と期待に
複雑な胸の中がトクンと音を立てた