夏休みも終盤にさしかかったある昼下がり。
私は、陵君と一緒に前に香耶ちゃんと来たショッピングモールに来ていた。

なぜかと言うと………
数十分前ー
「彩佳、今から出掛けるぞ」
いつもの通りのぶっきらぼうな口調で突然出掛けようと誘ってきた陵君。
「え?今から?」
当たり前だけど、突然のことに私は驚いていた。
「そう。後15分でしたくしろよ。」
陵君は私の反応には興味を一切示さず、それだけ伝えるとさっさと玄関まで歩いて行ってしまった。

………私達、恋人になったんだよね?
一応、婚約中で仮夫婦中だけど恋人…だよね?

もう少し、私に興味を持ってくれてもいいのに…
前はあんなに抱きついてきたりしたのに…

でも、陵君は怒らせると怖い…
その事実を知っているからこそ、陵君に不満を持ちながらも私は急いでしたくしていた。