「ただいま」
私は、内心嬉しく感じながら家に帰った。

……あれ?陵君の部屋、ドアが開いてる。

気になってドアの隙間から覗いてみるとー

カタカタッカタカタッ

何かの資料を山のように積みながら作業をして陵君の姿が目に入った。

……あんなに、沢山の資料を……あれって全部お義父さんの会社のだよね。やっぱり凄いな陵君って、あれだけの仕事を手伝ってるんだから。

私にも出来ることないかな?

でも、考えても答えが出るはずもなく、とりあえずお茶をいれることにした。

ー「はい、どうぞ」

「え?あ…いつの間に帰ってたんだ?」
突如お茶を持って現れた私に驚いて、目を丸くしてたけどデスクに置いてある時計を見て納得していた。

「げっ…もう16時かよ。そりゃ帰ってくるよな。
ごめん気づかなくて。お帰り」

「ただいま、陵君。
今お茶をいれたけど、飲む?」

私が手に持っていたお盆に乗せているお茶を見せながら聞くと「ああ、貰うよ。」と、取ってくれた。