「このクソジジィ、ふざけるのも大概にしろよ!カップリングって、相手はガキじゃねーかよ!」

俺は元上司となった校長を思いっきりクソジジィ呼ばわりしながら、エドガーを指さして絶叫した。


(どう見たってコイツ10歳位だろ?しかも男って…!)

「あは…あははっ。落ち着いてロニィ君。何たってこれはスカイヤード家のたっての希望でもあるわけで…。ねっ、いい加減ゴネるのやめて。ねっ、ほら…格好悪いでしょ。」

「マジかよ…。こんなの…マジかよーー!」

俺は久々の敗北感に頭を抱えガックリとその場にしゃがみ込んだ。

「ロニィさんさぁ、取り込み中悪いんだけどいい加減長い時間待たされた上に人のことをガキだなんだと…ハッキリ言ってあんたウザイんだよね。」


(は?何ですと??)

鳩豆顔でポカンと口を開けている俺の顔を覗き込み、奴はニヤリと笑った。

「ここらでいい加減諦めてよ。“天才魔法使い”のお兄ちゃん!あ…エジソンさんお世話様でしたね。確かにこの人頂いて行きますよ。さっ、ロニィ行くよ。」


(えっ?えっ?えええっ??)

奴は茫然自失の俺の襟首をガシッと掴むと、信じられない力でズルズルと引きずりドアへ向かって歩き出した。

「ちょっ、まっ…待て!このクソガキ!俺はこんな格好の悪い退場の仕方は認めない!認めないぞーーー!」

両腕をブンブンと振り回し、足をバタつかせ俺は必死の抵抗を試みた。だが、結果は惨敗。


(なんだこりゃーーー!)


バタン!

ドアは開け放たれた。その瞬間、俺の今までの輝かしいキャリアは音を立てて崩壊した。