慣れない陽光が容赦なく私を照らす。

癖で日傘を取り出しながら前方の建物を見上げる。

二つの種族の生徒のみで構成される高校、明朗学園。

名前が無駄に明るいのが性に合わないが、自分で変えることのできるものでもないし。

今日より私、石和 聖歌(いさわ せいか)はここの門をくぐり、そして出ることはほぼない。

人間とヴァンパイアの二種族の内の少数派、血を糧とする者として。

ーこれ以上、何も考えなくて済むようにー…。