こんな世界、消えてなくなっちゃえばいいのに。
そう思ったのは何度目のことだろうか。
もっと幼い頃は、人生を楽しめていたと思う。
いや、もっとではない。
去年まではそう思えていた。
私がこんなことを思ってしまうのは、
きっと君がいないから.........。

去年の夏休みの終わり。
私としゅうたは会う約束をしていた。
いわゆるデートというやつだ。
しゅうたは私と会うために急いで来たという。
その途中、車に轢かれた。
恋愛小説ではありきたりのことなのだろう。
でも、私は現実というものを受け入れられなかった。
主人公は現実を受け止め、前に進んでいく。
私はそんな主人公でもなんでもない。
ただの女子高生なのである。