ここはどこ?

目を擦りながら、周りを見渡した。

私のベッドじゃない。
シンプルな寝室。
大きなベッド。

肌触りいい毛布。
このままずっと寝ていたいな。

「起きろ」
「なんで菅田さんの声が聞こえる?」

髪を撫でてる大きな手。
幸せだな。
本当に菅田さんが撫でてくれたら

どんなにいいか。

夢なら覚めないで。
もう少しこのまま寝かせて。

「起きろ。起きないとキスするぞ」

えっ?菅田さん……。
夢ならキスしてもいいよね?

神様、夢なら菅田さんを
独り占めしていいですか?

私は寝たふりをした。
かっ、菅田さんキスしてください。


「バカ……。起きろ」

夢の中でも許されないの?
なんでキスしてくれないの?
もういい。
絶対に忘れてやる。

菅田さんよりもっとイケメンで優しくて
私のことだけを愛してくれる人
見つけてやるんだから。


カバっ。
勢いよく、起き上がった。

いたっ、痛い。

「いってぇなぁ」

そこには……。
私が勢いよく起きたため、
私と頭をぶつけた
菅田さんが頭を抑えて、
不機嫌な顔をしていた。