「はいー!ピストルラーメン一丁!」
「はいー!喜んで!」
夜の8時半、俺のバイト先の竹原屋はまだまだ大繁盛!
もうすぐ7月も終わりかけの夏休み、俺こと、甲本優斗(こうもとゆうと)は汗だくでバイトをしていた。
花の高校一年生なんだけど、俺が物心つく前に父親が病死しちゃって、看護師の優子お母さまが女手一人で育ててくれてるから、俺も頑張って竹原屋っていうラーメン屋でアルバイトしてる。
ラーメン屋の店長、竹原剛(たけはらつよし)さんはタケピー店長と呼ばれてて、まだ25歳で8歳の春華ちゃんっていう女の子と二人で暮らしている。
和歌山出身だから関西弁。
高校生時代にでき婚してラーメン屋に弟子入りして頑張ってたんだけど、まだ若かったせいか嫁さんが他に男作って出て行ってしまったらしい。
18から修行して、25でこんな花の都大東京に店を出すなんてすげえ!
春華ちゃんもいい子で、お客様に水出しして看板娘としてタケピー店長を支えている。
まだ店が出来て半年、俺はオープンの日から雇ってもらってて、お互い家の話をしたりする深い関係だ。
タケピー店長の趣味はギターの弾き語りで、たまに店が終わった後春華ちゃんを寝かせて駅へ弾き語りに出かけることがある。
とてもかっこいい。
男として惚れていて、何でも相談できる人だ。