混み合った蒸し暑い電車内、俺は時折フラつきながらも必死に足を踏ん張って立っていた。
金曜のこの時間は乗客の乗り降りが多いから、おそらく目的地までずっと立ちっぱなしになるだろう。
俺の職場から梨華の部屋までは、電車と徒歩で約1時間半。
仕事帰りに行くには、正直身体がきつい。
もう少し近ければ助かるのにと思った。
つい先日、梨華の両親と顔合わせをした。
梨華が言うには、ご両親は俺のことをとても気に入ってくれたそうだ。
確かに別れ際、「梨華をよろしくお願いします」と何度も頭を下げられた。
それは、とても喜ばしいことだ。
これから、長い付き合いになるのだから。
だけど……。
あの日以来、やけに気持ちが沈む。
そんな俺に、梨華はちっとも気づいていない。
毎日LINEで、式場をどこにするかとか、どんなドレスを着ようかとか、そんなことばかり話している。
正直、俺は今そんなことまで考えられない。
それよりも気になるのは……。
あの日、偶然会った菜穂のこと。
まさかあんなところで、菜穂に会うとは思っていなかった。
すごく嬉かった。
それはもう、泣きたいくらいに。
俺が落ち込んでいることを、菜穂はすぐに気づいてくれて。
やっぱり菜穂はすごいなと思った。
金曜のこの時間は乗客の乗り降りが多いから、おそらく目的地までずっと立ちっぱなしになるだろう。
俺の職場から梨華の部屋までは、電車と徒歩で約1時間半。
仕事帰りに行くには、正直身体がきつい。
もう少し近ければ助かるのにと思った。
つい先日、梨華の両親と顔合わせをした。
梨華が言うには、ご両親は俺のことをとても気に入ってくれたそうだ。
確かに別れ際、「梨華をよろしくお願いします」と何度も頭を下げられた。
それは、とても喜ばしいことだ。
これから、長い付き合いになるのだから。
だけど……。
あの日以来、やけに気持ちが沈む。
そんな俺に、梨華はちっとも気づいていない。
毎日LINEで、式場をどこにするかとか、どんなドレスを着ようかとか、そんなことばかり話している。
正直、俺は今そんなことまで考えられない。
それよりも気になるのは……。
あの日、偶然会った菜穂のこと。
まさかあんなところで、菜穂に会うとは思っていなかった。
すごく嬉かった。
それはもう、泣きたいくらいに。
俺が落ち込んでいることを、菜穂はすぐに気づいてくれて。
やっぱり菜穂はすごいなと思った。