「崎田君ー、トラックの荷物ってこれで全部?」
アキ先輩に言われて、僕は「はい」と返事をした。
「あとは私が台車で運ぶから、崎田君は向こうで仕訳けを手伝って」
「はーい」
ビルの裏口から社内に入ると、僕はみんなが作業をしている部屋へと向かった。
扉を開けて、真っ先に目に入るのは菜穂さん。
相変わらず、テキパキとみんなに仕事の指示を出している。
「あ、崎田君」
僕に気づいて、菜穂さんが手を上げる。
「崎田君は、こっちで紙袋に品物を入れていってくれる?」
「はい、わかりました」
菜穂さんとはもうかなりの期間、仕事以外で話をしていない。
それは以前、僕が彼女に一方的にキスをしてしまったから、それで避けられているんだ。
本当は、前みたいに気軽に話がしたい。
一緒にご飯を食べに行ったり、お酒を飲みに行ったりしたい。
でも、僕が近づこうとすると、彼女は決まって身体をキュッと硬くしてしまうから。
必要以上に近づくことが出来ない。
僕はもう、彼女と普通に話すことさえ出来ないのだろうか……。
アキ先輩に言われて、僕は「はい」と返事をした。
「あとは私が台車で運ぶから、崎田君は向こうで仕訳けを手伝って」
「はーい」
ビルの裏口から社内に入ると、僕はみんなが作業をしている部屋へと向かった。
扉を開けて、真っ先に目に入るのは菜穂さん。
相変わらず、テキパキとみんなに仕事の指示を出している。
「あ、崎田君」
僕に気づいて、菜穂さんが手を上げる。
「崎田君は、こっちで紙袋に品物を入れていってくれる?」
「はい、わかりました」
菜穂さんとはもうかなりの期間、仕事以外で話をしていない。
それは以前、僕が彼女に一方的にキスをしてしまったから、それで避けられているんだ。
本当は、前みたいに気軽に話がしたい。
一緒にご飯を食べに行ったり、お酒を飲みに行ったりしたい。
でも、僕が近づこうとすると、彼女は決まって身体をキュッと硬くしてしまうから。
必要以上に近づくことが出来ない。
僕はもう、彼女と普通に話すことさえ出来ないのだろうか……。