夕陽が傾き、校舎を紅に燃え染める黄昏時。

慣れ親しんだ教室に、私は1人で佇んでいた。


「明日…卒業か」


―3年間ありがとう

―みんなと同じクラスで良かった

―また、みんなで集まろう!!


後ろ黒板にクラスのみんなで書き寄せたメッセージはどれもありきたりで、面白みがなかった。

いいのだ。


今更面と向かって言いたいこともないし、むず痒さが身体を駆け巡るから。


いいのだ、これで。


3年間、本当に色んなことがあった。

勿論、性格が合わない子もいたが、その半面、生涯この子とは親友であり続けるだろうなという出会いもあった。

出会いも別れも、繰り返した。

苦しくて枕をぬらした日々もあった。


それでも今日までやってこられたのは、親や教師、みんなの支えがあったからだろう。