ケータイ小説 野いちご

チョコレートじゃ想いは届かない


バレンタインだけど






バレンタイン当日、私は作ったお菓子を同じ部署の人達に配っていた。人の作ったものは食べられないという人のために市販のお菓子も用意した。
結局手作りお菓子は自己満足な気がするから……。


隣の席の坂本君にも他の人と同じように、同じトレイから選んでもらった。


「女の子だねぇー、これぞ女子力」


お菓子を配るたびそんな声があちらこちらから掛けられる。


「女子力とかそういうのじゃないです。ただ、作るのが好きなだけです。」


男も女も関係ない、その一言は心に閉まって、可愛げのない私はつっけんどんに返事をする。


退社時刻、身支度を終えた坂本君が立ち上がって言う。


「美味しかったです。」



私は答える。



「それはよかったです。」







< 6/ 12 >