今日も1人、早めに登校して
自分の席でぼーっとしている。


最近は桜が綺麗だから
飽きないんだ。


実はこの時間が好きだったりする。
なのに…


「ひ、姫野さん!ちょっといいかな?」


邪魔された。


姫野さんとは紛れもなく私、
姫野莉子の事だろう。
だって今、教室には
私と話しかけてきたこの男の子
2人しかいないんだから。


まだ時間も早いから
廊下に人がいる気配はない。


「なに?」


視線を彼に合わせそう聞いた。
なんとなく用事は
分かってるんだけど。


「あ、あの!
1年の頃からずっと好きでした!
僕と付き合ってくれませんか?」


ほら。告白。
私、彼氏いるのにな。
だから返す答えは決まってる。