「後期生徒会はこのメンバーです!」

司会者がそう告げると、体育館から拍手がわき起こる。みんな、新しい生徒会のメンバーに期待を寄せていた。

照れくさそうに拍手に応える生徒会のメンバーの中に、一人、ため息をつく女子がいた。

その女子の名は、鈴木華(すずきはな)。後期生徒会会長。

華の隣には、高校生だというのに髪を茶色に染め、大きめピアスをつけている男子がいた。後期生徒会会計の川井大和(かわいやまと)だ。

最悪、何でコイツなんかと仕事をしなくちゃいけないわけ!?

華の頭の中に、最悪で屈辱的な思い出が蘇った。



華は男嫌いで高校では有名だ。モデルのようなスラリとした体型とアイドル顔負けの可愛らしい顔をしているのに、彼氏がいたことも、初恋すらもない。告白をする男子もいるが、その度に「私、男嫌いなの」と言い放っている。

友達からは「彼氏作りなよ〜。楽しいよ?」と言われるが、華は「いや、無理」の一言を返している。少女漫画のようなスイーツのような甘い恋愛など、華にとっては吐き気がするほど嫌なものだった。それに、華は少女漫画ではなく少年漫画の方が好きだ。