「お邪魔します……」



誠也の家のリビングはちゃんと片付いてるのに、なんとなく殺風景な感じがした。



「夕飯、カレーでいい?
カレーだと作り置きできるかなぁと思って……」



「ありがとう。助かるよ」



誠也は申し訳なさそうに笑顔を作ってくれたけど、まだ無理して笑ってる気がした。



「キッチン借りるね」



「何でも好きに使っていいよ」



「ありがとう。ちょっと待ってて」



誠也に微笑んで、私はキッチンに立つ。



たいしたことはしてあげられないけど、誠也には心から笑えるようになってほしかった。