「桐ケ谷、ごめん。待たせちゃった?」



私服で新倉君と会うのは、初めてだ。



ジーンズにグレーのシンプルなTシャツを着ているだけなのに、背が高くてスタイルがいい新倉君は、品がよくてカッコよく見えた。



「全然……私も、今着いたとこだよ」



私は、絵梨花に選んでもらったワンピースを着てきた。



「荷物持つよ」



「ありがとう……」



新倉君はお弁当が入った紙袋を持ってくれた。



新倉君と並んで歩くのがなんだか照れくさくて、私は少し後ろを歩いていた。