婚活パーティーから1週間が経った。

その日、私はゆかりの自宅を訪ねてパーティーのドレスを返した。

「別に持っていてくれてもよかったのに」

クリーニング店の名前が書いてある紙袋からドレスを取り出したゆかりは言った。

「私が持っていても着ないし、タンスの肥やしになるだけだから」

用は済んだので自宅を後にしようとしたら、
「待って、詳しいことを聞きたい」

ゆかりに腕をつかまれて引き止められてしまった。

「詳しいことって…」

「この人ならいいかもって言う男の人とかいた?」

そう聞いてきたゆかりに、
「ああ、そうそう」

私はカバンから財布を取り出すと、二ノ宮さんからもらった例の名刺をゆかりに差し出した。