「わたしね、しょうらいはおひめさまになりたいの!」

小さい頃、絵本の中のお姫様に憧れた。

可愛い服が大好きで、ピンクでヒラヒラした服とか踵の高い靴だとか…。

いつも両親に強請っていた。

髪の毛も切らず、前髪は母親が切ってくれていた。

だってお姫様と言ったら長い髪の毛だったから。

お姫様になれることを信じて、可愛くなれるように頑張った。

けど、それはただの夢でしかなかった。

平凡な暮らしの私では絵本に出てくるお姫様になれるわけはなかった。

だから私は自分が自分の好きなようになれる世界を作った。

そこでなら私は何にでもなれる。

何でもできる。

それがとても楽しかった。