俺は1番大切なものを見逃していたのかもしれない。
〇〇の潤んだ瞳に今気付いた。
俺だって大好きだ。
仕事柄可愛い人や綺麗な人には沢山会ったけど
〇〇以上に素敵な人には出会えなかった。
だけどこのまま付き合い続けても
俺はどんどん時間取れなくなるし
〇〇に寂しい思いをさせるだけ。
だから別れるべきだったのかもしれない。
さらに、いつ写真撮られて
世間で叩かれるかも分からない。
そんな世界に〇〇を置いておくことなんて
俺には出来なかったんだ。
俺はこの心に空いた穴を埋めるように
仕事に打ち込んだ。
テゴマスとして一緒にいる事の多かったまっすーは俺の変化をいち早く感じ取ったけど
《体、壊さないようにしろよ》
それしか言わなかった。
むしろ俺にはそれがありがたかった。
数年後、俺は久々に実家に帰った。
地元の飲み屋には大人の女性になった〇〇がいた。
男女で飲んでる様子はまるで
新しい恋を探すために
笑顔で走り出しているようだった。
俺は駆け寄ってその背中に抱き着きたい衝動を
なんとか抑え、ビールを飲んだ。
嗚呼俺は今、あなたにどんな言葉をかければ
お似合いなのだろうか