「涼香これは…?」

「あはっ…、すみません。呼べって言われて…」

いきなり美玲に呼び出された蓮さんは、驚きを隠せないでいた。
しかも…

「私も一緒に呼ばれたのは何故なんでしょう?」

「すみません…室長…」

そう、何を思ったのか室長まで呼び出していた。
美玲と有里華は、二人に言いたい事がある!と息巻いていたけれど、実物の二人を目の当たりにして声を失っていた。まぁ、美玲は蓮さんと話なんかした事ないし、有里華に至っては、初めて見る訳だし。蓮さんと室長を実際に見たら、固まるのは分かる気もするけど。呼んだんだから、しゃべろうよ…

二人して、美玲が言うんでしょ?有里華が言いなさいよ、って。
何で、呼びつけといて緊張してるのよ。もぅ。

「涼香、明日空いてる?」

「え?明日?空いてるけど…?」

二人が話をしないから、蓮さんが私に話かけてきた。

「明日、時間取ってほしいんだ。いいかな?病院に行ったりする用事ない?」

「うん、大丈夫。父の退院が明後日だから、明日は行かないから大丈夫よ。明日は母が来なくていい、って言ってたし」

「そうか、じゃ時間はまた連絡するよ」

「それはそうと、高瀬。仕事はいつから復帰するんだ?」

一人取り残された室長が話かけてきた。

「あ、すみません。来週の月曜日から出勤します。長くすみませんでした」

「いや、俺はいいんだがな…蓮が…」

「なっ、なんだよ…言うなよ、匠」

室長の話を聞こうとして、蓮さんに止められた。室長は、笑いを堪えていた。お前も男だな、って…
何があったんだろう?