タイミングが合っていない…
そうなのかな、そうだと思いたくはなかった。

瑠璃が言うように、ダメな事じゃないのかも。と思うようになっていた。

蓮さんに、全てを話そうか、迷っていた。
如月を辞めるにしても、話はしなくてはいけない、そうだったら今自分が考えている事を蓮さんに聞いてもらおうか、悩んでいた。

瑠璃と病院を出ようとした時、私の電話が鳴った。

室長からだった。
瑠璃は、あの室長の電話なんて無視したら?と言ってたけど、さすがに無視する事も出来ず、電話に出た。

「もしもし?室長どうかされましたか?」

「高瀬か?今大丈夫か?」

「はい、何か?」

声がいつも違っていた、何かあったんだろうか?

「…夏帆さんとの話、知ってたのか?」

「……、何がですか?」

「破談になった話。君も絡んでるだろ?」

「いえ、私は何も知りません」

「そんな訳ないだろ?知ってただろ?」

「何度聞かれても答えは同じです。知りません」

「…っ、そうか。すまない。君もご家族の事で大変だったな…、こんな電話して悪かった…」

「いえ、…室長」

「なんだ?」

どうしたんですか?と聞きたかったけれど、聞く訳にもいかず、電話を切ろうとした。

「いえ、失礼します」

「高瀬…」

「は、はい?」

「…あ、いや、いつ頃来れそうだ?」

「あ、はい。父の意識も戻ったので、来週には出勤出来そうです」

「そうか、分かった」

兄が話していた、社長交代で何かあったのかもしれない。
室長が何かに焦っているのが、電話の雰囲気で感じた。