「先生………今大丈夫??」

後夜祭を二人で過ごしてから、10日ぶりの電話。

いくら遠慮しなくて良いと言っても……中々かけてこない。

俺がかけても良いけど……

それだと次からも、俺がかけないと自分からかけてこない可能性がある。

相談したい時に気軽にかけてこれるよう

10日間…………ただひたすら待ち続けた。

「尋の電話以上に大切なことはないよ。」

こんな歯の浮くようなセリフを吐く自分にびっくりだ。

それほど俺は待っていたんだと………………改めて気づく。

千尋は、クスクス笑って

「だったら………隣に来て。」と思ってもみない招待を受ける。

ここのところ、忙しい上に風邪気味で…………まともに食べていなかった。

たぶん、そんな俺を心配しての誘いだろう。