「和佳菜、平気だったのか?本当に怪我はそれだけか?」
倉庫に逆戻りすると、みんなが随分心配してくれた。
どうやら、仁が電話で先に伝えていたらしい。
いつやったんだろう。
あたしが知らぬ間に。
仕事が早いこと関心する。
「うん、大丈夫よ。本当にこれだけ」
「無駄に隠したりするなよ。すぐに分かるんだから」
「だから、隠してもいないから。何度言えば信じてくれるの」
そして、さっきから心配性の綾が止まりません。
ずっとあたしの心配ばかりしている。
全身をじっくりと見たり、肩や腕に手を置いて気を張りながら丁寧に調べている。
そんなことをしたって腕の傷以外には何も出てこないのだけど。
いい加減やめてくださいね。