「ちぃ、どうする?」

「大川先生に相談してみる?」

今は放送部のミーティング中。

あの日の相談以来………木曜日のお悩み相談は

恋愛に関するものがとても多くなった。

どれも真剣で取り上げたいって思うけど……

恋を知った今は…………

以前よりも相談する人の気持ちが分かって……軽はずみに扱えない。

「う~ん。」

悩んでいるけど………

多分、部長の茜や優樹菜の悩みとは違う。

だって今回の相談は…………

『先生に恋をした女の子の悩み』だから。

しかも………和也先生に。

茜と優樹菜は……

『学校の先生を好きになる子は沢山いるから……取り上げたい。』と言う。

沢山…………ってどれくらい??

先生を好きな子が、他にもいるの??

不安な思いを隠して……曖昧に答える。

「ちぃは恋愛してないから分かんないだろうけど……
片思いってしんどいんだよ。
それが先生って………。
報われないから切ないって言うか………応援してあげたくなるんだもん。」って茜。

優樹菜も

「先生を好きな子って、この学校だけでもかなりいると思う。
ウチは女子高なのに、割かし年齢層が低いし独身の先生も多いから。
年上の男の人が、かっこよく見える年頃だしね。
このテーマって、聞きたい人がいっぱいいるはずだよ。」と。

「だったらちぃは、何が反対??
前回の手紙は……ちょっと過激だったから分かるけど……
今回くらいなら大丈夫じゃない?」

茜が言ってることは、よく分かる。

手紙の内容も………

『和也先生に片思いをしていて……
後、10日に迫ったバレンタインにチョコを贈ろうと思うけど……
名乗る勇気が持てない。
先生との恋愛が実ることはないって割りきって気持ちを伝えるか……
伝わらなくても良いから……こっそり贈るか悩んでる。』と可愛いものだしね。

先生が私の彼氏じゃなかったら………

『うん、応援してあげよう。』って言ってた。

放送も……

『告白しても……大人な先生が優しく受け止めてくれるはずだから
傷つくことはないと思うよ。
もしも勇気が持てるなら………
後悔しないように告白してみるのも良いかもね。』って言ってたはずだよ。

でも、先生が他の子にチョコを貰うってだけで嫌なのに

応援なんて出来ないよ…………。

先生が誰かに取られるって思ってる訳でも

他の子のところにいくって不安になってる訳でもないよ。

ただ……………嫌なの。

もしかして……これが嫉妬っていうものなのかな?