「「明けましておめでとう」」

深夜0時の挨拶は……

新しい年を迎えるもの。

この瞬間を、大好きな先生と迎えるなんて!って言っても

電話だけどね。

お泊まり禁止………

おまけに『大切なお姉ちゃんと過ごしなさい。』って言われて

年末のデートもクリスマスの次の日が最後だったの。

先生は仕事だってあるし………仕方ないことだけど………

淋しかった。

「写真、たまった?
明後日、来れるなら………樹のマンションに泊まりにおいで。」って。

「行ける。行けます。行くよ!」

「はいはい、分かったから。
淋しかった?ごめんね、やっと終わったから………。
明後日は、ご飯はいいよ。蕎麦を食べるから。」

蕎麦って……年越し蕎麦??

お正月のやり直し??

先生のすることは、いつも突拍子もないからなぁ

でも、久しぶりのデートだもん!楽しもう!

「会えない間に、宿題も勉強もいっぱい頑張ったよ!」

「教師の俺としては、偉かったね!だけど……
尋は十分頑張ってるから……
彼氏の俺としたら………『もっといっぱい遊べ』って言いたいなぁ。
俺の高校時代なんて………まぁ~話せる過去じゃないか。」

「ええっ!!教えて。
高校生の先生……知りたい!!」

「いやいや、話せる過去じゃないって。
樹達と騒いで、喧嘩して………どうしようもなかった。
でも…………良い思い出だけどね。大切な仲間も出来たし…………。
尋にも…………そう思える時間と出逢いをして欲しい。」

「恋は?…………恋?!
先生も恋をしたでしょう??」

「こらっ!好奇心だけで聞かない。
泣くことになるぞ!」

「えっ!!そんな忘れられない恋をしてたの??
先生が失恋??」

「アホ!
俺の恋が悲惨だから、泣くんじゃないの。
俺が恋愛してたって知って…………現実に泣くんだよ。
今は『先生って大人だもん、恋の1つくらいしてるよね?』って
想像するくらいだろう?
でも……話しを聞くと想像出来るから……苦しくなる。
たとえ俺が終わったことだって言っても………
尋は泣くと思う。
だから、話さない!
終わった恋より………尋が大事だからね。
俺のことで……一人で泣いて欲しくないから。」

「うん、分かった。
私も…………そんな気がしてきた。
多分……………ううん、絶対に泣く!
だから………聞かない。先生………ありがとう。」

「どう致しまして!尋は、一日中見てるから……
尋より、尋に詳しいよ!
分からないことがあったら………何でも聞いて。」

先生………

新年一番の電話が…………こんなに暖かいもので良いのかな?

先生に恋して…………良かった。