ケータイ小説 野いちご

冷たいキスなら許さない

まさかの再会
支社にGo


こんなはずじゃなかった。
そう、絶対こんなはずじゃなかった。

4年前、大きな失恋をして東京から長野の実家に戻って就活を開始。

しかし、都会の大きな企業で働いていたとはいえ、たった1年程しか働いていない。
キャリアのない私が田舎で同じような待遇の仕事など当然見つかるはずもなく。

実家暮らしとはいえ生活費は必要で。
定職が見つかるまで時給の高い早朝のスーパーの品出しと夜中のコンビニのアルバイトのダブルワークを覚悟した時、ひいじいちゃんの法事で母方のまたいとこのエリちゃんに出会った。

ちょうど従業員募集をかけるところだったというエリちゃんの旦那さんのお兄さんの会社で事務員として雇ってもらえることになった。
これはラッキーというしかない。

エリちゃんの旦那さんのお兄さんは森大和(もり やまと)さんといいフォレストハウジングという住宅メーカーの若き経営者だ。

「住宅メーカーって言っても田舎の工務店だよ」
鼻先でフフッと笑ったエリちゃんの言葉を信じた私がばかだった。

確かにエリちゃんの義兄の大和さんが父親から会社を継いだ時にはただの田舎の工務店だったかもしれない。
でも、その時と今では事業規模が違う、違いすぎる。
私が入社した時にはすでに事業を拡大し始めていた時期だったのだけれど。


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