あの海の一件以来、村田と会うことはなくて一瞬で夏休みが過ぎ、今日からまた学校が始まる。



結局親にも聞くことはせず、私は今日もいつも通り学校へ行った。



「里穂、おはよう!」



教室に入るなり、汐が駆け寄ってくる。



汐にはちゃんと『村田と話した』っていうのを連絡した。



そしたら汐、すごく喜んでくれたけど村田が晴樹と同一人物ということは黙っている私。



「おはよう、汐。
夏休みは本当にありがとう」



汐がいなかったら、村田に謝ることはできなかった。



「私は何もしてないよ?
最終的に里穂の判断でそうしたんだもん。


でも偶然村田と会うなんて、もう運命じゃないの?付き合えばいいのに」



「う、運命とか違うから…!」



そう、運命じゃないの。



だとしたら……神様のイタズラ?



なんて思いながら自分の席に着いた。