「おはよう、優」

そう言ってふわりと笑っているんだろう。

俺はなるべくダルそうに、めんどくさそうに少しだけ顔をそちらに向けて応える。

「...おはよ」

ちらりと見えた顔はやっぱり柔らかく微笑んでいた。





俺は、こいつが好きだ。

自覚したのは多分、こいつに初めて彼女ができたとき。

訳がわからないくらい動揺して、焦って、悔しくて。悟られないようにするのに精一杯だったと思う。


こいつの事が好きなのは、おかしなことだとわかっていた。

俺は男だし、こいつだって男だ。

でも好きになってしまったものは仕方ない。

告白なんかできないし、こいつはノンケだからチャンスなんてないけど、それでもやっぱり。

俺はこいつのそばにいたい。

この友達という関係だけは壊したくなかった。