【古川海澪side】
…自分なりのケジメかあ…
今までそんなの考えたこと無かったなあ…
いつも蒼空の笑顔や顔が見れるだけで嬉しかったから…
「…はあ…緊張する…」
李那と別れてから。
私は蒼空にLINEして蒼空の家の近くの公園に来てもらうことにした。
約束の時間まであとすこし…
「あれ、海澪、もう来てたのか?」
「…あ、うん。
…ごめんね、急に呼び出したりして。」
私はこんな遅くに呼び出したことについて謝罪した。だって8時だよ?
ご飯もしくはお風呂の時間でしょ?
「いや、大丈夫。
何かあったか?」
こんな時でも蒼空は優しい。
伝えるのを躊躇ってしまう。
「あのね…」
もし伝えて、ギグシャクしたりするのだけは避けたい。
だから泣いちゃダメ。
「あの…」
笑顔で。
李那みたいに明るい笑顔…

「私ね。蒼空の事好きなんだ。」

…やっと言えた。
終わった、私の恋。
「…えっ…」
蒼空を見ると困った顔でオロオロしてる。
「でもさ、これからも仲良くしてほしいから、忘れよ?
…告白したっていう事実だけ覚えといて」
「…知ってるかもしれないけど、俺李那のことが好きなんだ、ごめん、海澪。」
…うん、知ってたよ。
ずっと、李那のこと見てたもんね。
「分かってるよ、蒼空。」
「え?」
「李那のことが好きってこと。」
蒼空の事、大好きだった。
同じくらい蒼空も李那のことが好きなんだ。
「大体バレバレなのよ。
李那が大好きです〜っていうオーラ出すぎなのよ。」
これでいい。
私の初恋はこれで終わったの。
「まじか?!」
ほら。
これで私たちは元通り。
「…海澪」
「なに?」
「好きって言ってくれてありがとう。」
…泣かせようとするんじゃないよ。
泣かないって決めてたんだから、泣いちゃダメ。
それでも泣かせようとしてくる蒼空はなんなわけ?
ただでさえ涙腺緩いのに…
「…好きになったのは本当だから、忘れないで欲しい。」
「ずっと、覚えてるよ。
何年経っても仲良くいたいから。」
…やっぱりなんかズレてるんだよな、蒼空って。
そこが蒼空のいい所なんだけどさ。