ピリリリリリ

「ふゎぁ〜、もう朝かぁ。」

時計のアラームで目が覚めると外は少し明るくなっていた。

私は高梨 美紅、17歳。私の朝はお弁当作りから始まる。
というのも、中学1年の時に父親を交通事故で亡くし、今は母親と2人暮らしなんだけど、母親も看護師として働いているから仕事も忙しく、私が家事全般を引き受けているからだ。


台所に降りて、エプロンを着ける。
「今日は何にしようかなぁ?」考えながら冷蔵庫を開けると冷んやりとした空気が顔を撫でる。卵やウインナー、ブロッコリー、色々な食材が目に入る。
「よしっ!今日は簡単に作っちゃおう♪」
私はブロッコリーのおかか和え、プチトマト、卵焼きはハート型にして、たこやカニの形にカットして炒めたウインナーをお弁当箱に詰めた。


お弁当作りも4年目になると手際も良くなる。見た目も高校生の女の子らしく、ハートにしたり、動物の形にしてみたり…。
「今日のお弁当も可愛く出来たな。私って天才!」
自画自讃しながら、朝ご飯を食べ、身支度を済ませると、
「行って来ま〜す」
元気良く挨拶をして玄関のドアを開ける。
まぁ、挨拶してもお母さんは今日は夜勤だから誰もいないんだけどね笑