俺は夜中に1人、コーラス岬へ向かった。
ここがいつも俺がレベリングするための拠点となっている。
「まだ、コーラス岬のクエストは攻略できてないんだよな…」
俺はそう呟いた。
その時、
「こんな所に居たのねグレンくん。」
「シェルさんなぜここが……」
「追跡スキルよ。それにこんな真夜中にレベリングに来るのはグレンくんだけよ。」
「そんなスキル上げてたんですね……ギルドの方は良いんですか?」
この人は大規模ギルドの代表する【閃光の狩猟団】幹部の人なのだ。
「今はギルドの攻略も一段落ついて自由なの。そっちはどうなの?」
「うちのギルドは来月のアップデートで追加される新クエストに備えて装備を整えているところです。」
俺は最低限の情報しか言わなかったツモリだったのだが、
「あら、その様子だとアグナムに挑むつもりなのね。」
「なぜそれが……」
「あなたの装備は火属性耐性スキルでスロットが埋まってるじゃない。きっとギルマスさんのスロット埋めの手伝いでしょう?」
「その通りですよ。全くシェルさんには敵わないなぁ〜」
「ふふっそう言うグレンくんの困った顔も可愛いわ♪」
実は俺とシェルさんは仲が良い事で始まりの都市でも噂になったこともある。
「俺はまたレベリングして、明日ラッシュとこのクエストを攻略しようと思っているんだ」
「それなら手伝わせてもらえないかしら、うちのギルドの大剣使いのシアトさんを連れて行くわよ?」
「それはありがたいな、よろしく頼むよ」
「じゃあ明日ここに10時ね」
「うん、じゃあおやすみ。俺は2時間ぐらいここでレベリングするよ。」
「気をつけてね。おやすみ」
そしてシェルさんは村に向かっていった。
「さぁ、始めるか……」
そう言うと同時に背中から剣を抜く。
「かかってこい!モンスターども!!!」
「グワァアアアアアア!」
俺は剣を構え、一気に間合いを詰める。
「せやぁ!」
「ギャウ!」
連続してアタックスキルを発動する。
「せい!とう!」
「ギュアァァァァァ!」
1体モンスターを倒すと連続して姿を現す。
「いえやぁあああああああ!」



そして気付くと2時間が経っていた。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
こんだけ狩って上がったレベルは3だけだった。
「そろそろ狩場を変えないとな……」
そう言いながら俺はログアウトボタンを押す。



現実世界に戻ると、時刻は午前1時、俺はバーチャルギアを外しそのまま眠りについた。