【夏葵side】


あのあと、昴くんはこっちに一泊してから私に伝言を残してから東京へと帰って行った。


そして、みんなに三年前のことを素直に打ち明けてから少しして、琴音とサキが円満に別れたことを琴音から聞いた。

それでよかったのか?と琴音に聞いたけど、『まあね。好きでもない人と付き合うなんて嫌でしょ?それに私だって自分のこと好きな人と付き合いたいって思ったから。咲都にはもう十分幸せもらったよ』と穏やかな笑顔を浮かべて言っていた。

すべてを正直に話してくれた琴音と健吾には私がもうすぐこの街を出ていかないといけないことをちゃんと話である。

サキにはまだ言えていない。
早く言わなきゃいけないのに。

昴くんから伝えられたのは『夏休みが終わったら帰ってくること、だってさ』そういう条件付きだった。

どうして、私はみんなのそばにいられないんだろう。
大好きな人の隣で笑うことが許されないんだろう。