3日前太郎は死んでしまった。
それを受け止められなくてあの日から涙すら出てこない。
そして手には真っ白なDVDに書かれている文字。
俺が死んだら見てって書いてある。そしてそれを今DVDプレイヤーに入れた。
テレビに映ったのは太郎。
「あーえっと久しぶりかな?こんなこと言いたくないんけど俺は死んだんやな?もっと愛美といたかったやな。」
悲しそうな顔で喋っている。
「これを撮った理由はな、医者にあと1日持つかわからんと言われたからや。でも自分で思うんや。死にそうじゃないって。だって見てみろ、こんなに元気や!」
太郎は元気って言ってるけどつらそうな顔をしている。
「愛美、お前と初めて会ったのは病院やったな。あん時めっちゃ愛美は嫌そうな顔してたな!今思うと懐かしいわ。でもあん時、神様は俺達を繋げてくれたんやな。」
無理やり笑顔を作っている。
「俺なこの前思ったんや。なぜ俺なんやってな。愛美を置いってしまうのが嫌やった。」
それを言い終わると太郎は鼻声になった。
「でもな…俺で、よかったと思うんや。だって、こんなに、まな、みに辛い、思いしてほしくないんし。俺が、お前の立場だったら、毎日泣いてしまうんもん。愛美は無理やり、笑顔作ってたな。俺、すごいと思ったわ。」
太郎が泣いてる…?
「ごめんな?愛美を幸せにしてやれんで。俺ダサいやんけ。お前より先に死にたくなかったやな。」
泣いてる太郎は初めて見た。
太郎が余命宣告されてから、泣かないって決めたのに…
「お前のことずっと見守ったるからな!だから泣くなよ!お前の笑顔を見てたいんや!」
「私だって、太郎、の、えが、お見てたい…」
「ありがとうな?俺幸せ、だったやで!」
「私だって…」
「じゃあな!また逢える日まで!」
それで映像は終わった。
太郎が死んでしまってから、涙は出てこなかった分は今出てきた。そして泣き叫んだ。
「太郎!」
しばらく泣き続けた。