「おいで?」と、呼ぶ声に誘われてその腕の中におさまる。

無駄な家具が何一つない部屋のフローリングの床に、直に座る私と彼。

彼が立てたその両膝の間に大人しくちょこんと座り、目の前の真っ白なシャツの胸元に顔をうずめる。

耳元でクスリと笑う声は魅惑的で、思考回路を止めるには十分過ぎる程に強烈で、私の耳たぶを弄ぶように食む唇はひどく官能的だ。


「んっ」


自分のものとは思えないような声が口から漏れる。

思わずビクリと体を震わせた私を、まじまじと観察する男。

全身の力が抜けてしまった私を見るその目が、面白がっているのがありありと伝わって来る。