とある森の奥深くに、お母さんと女の子の親子が暮らしておりました。
生活は少し不便ではありましたが、自然に囲まれた我が家が親子は大好きでした。



女の子の名前は、朱奈(あかな)といい、いつもお気に入りの赤ずきんをしていました。


そんなある日のことです。



「朱奈ー!」

「なーにー?」


「ちょっとこれを隣町のおばあちゃんの所に届けてくれない?お母さんちょっと忙しくて行けないのよ」


「えー?めんど…オホンッ、今日足痛いから無理かも←」


「ん〜?何か言った?」


「……いえ、なんでもありません。喜んで行かせていただきます」


「ありがとー、助かるわー。じゃ、頼んだわよ」




こうして朱奈は、お母さんから手提げの籠を受け取った。