『電話して。剛。』


ん?

剛?


クエスチョンだらけの頭の中、剛へ電話をかけてた。

コール音が鳴って直ぐに繋がった。


「剛?」

「俺も乗せてけよ。」

「ん?」

「今日の会食。俺も乗せてけよ。」


不機嫌な声が耳にする届いた。

今日の夜の会食の話だ。

時間を見れば、そろそろ取締役を呼びに行く時間だ。


「悠菜、どこ?」

「あー、地下のエレベーター前で。」

「了解。」


プツリと切れた。

どうやら一人で行きたくないらしい。


「榛名取締役と会食に行ってきます。」


一言声を掛けて秘書課を後にし、取締役室へ向かった。

今日は金曜で会食の日だ。


「榛名取締役、失礼します。」


ノックをして部屋に入る。

取締役も用意が済んでいるようで、ソファーでゆっくりとしていた。


「お待たせしました。」

「いや、仕事のキリが良かっただけだから。行こうか?」

「はい。」


取締役の後ろを歩いていく。

エレベーターに乗り、地下駐車場に到着した。